工場員

業務内容
製品の強度を高めるため、熱処理炉で1000℃を超える温度に鋼を加熱する、熱処理加工を行っています。
主に金型や部品の焼入れ・焼戻し作業を行います。製品の要求品質に合わせて作業工程を計画し、作業に取り組んでいます。

活かせるスキル
協調性
三交代勤務のため、早番・遅番・夜勤の引継ぎがあります。一人一台の機械を担当するのではなく、数人で手分けして作業するため、協調性とコミュニケーション能力が必要になります。
問題解決力・責任感
仕事の優先順位を決めて作業に取り組み、最後までやり抜く責任感が求められます。トラブルなどで持ち場を離れるときも、現在の作業状況を他の人が分かるようにする必要があります。
対応力
事前にお客様からの入荷品明細が分からないケースが多いため、その場に応じた柔軟な対応力が求められます。
担当業務
受入れ作業
熱処理する金型や部品は、契約トラック便で運ばれるほか、ユーザーから直接持ち込まれるケースもあります。まずは受入検査で傷や形状などを確認するとともに、重量や寸法、ゆがみなどを測定します。
洗浄
お客様から入荷した金型などは油汚れが付着していることがあるため、洗浄して油脂や汚れを除去します。
焼入れ
鋼種別・処理条件別に専用冶具にセットし、冶具を熱処理炉に入れ、加熱していきます。セットが完了したら、基本的にはコンピュータ制御にて焼入工程が進んでいくので、登録されたプログラム番号を選び、入力してスタートさせます。
冷却
縦型ピット炉の場合は、加熱炉から金型などを取り出し、油やソルト浴に浸漬し急冷、焼きを入れます。真空炉の場合は、プログラムに従って炉内で加圧窒素ガスで冷却されます。冷却後は検査機器を用いて曲がりや寸法などを測定。必要に応じて矯正を行います。
焼戻し
焼入れ直後の金型などは非常に脆く割れやすいため、時間を空けずに焼戻しを行います。加熱炉に入れて、焼入工程よりも低い温度に再加熱します。加熱後は炉外に取り出しファン冷却します。加熱温度によって硬さを調整することができます。
出荷検査
お客様の仕様に適合しているか検査を行い、合格品を配送先別に仕分けし、出荷されます。お客様へ納品された後は、仕上加工や組付け工程を経て、自動車部品メーカーなど製造する金型になっていきます。
工場員の働き方(一例)

多く加工をしているのは、自動車部品の金型です。担当した製品が「自動車のどこの部分なのか」を知るたびに、誇らしい気持ちになります。
また国家資格となる「金属熱処理技能士1級」の取得も目指すことができます。
ある1日のスケジュール
※早番シフト6:00~14:40の作業事例(早番・遅番・夜勤の三交代制勤務)
焼入れ品の仕分け作業をしたものを焼き戻しに入材。曲り(歪み)矯正を行っている物、段取りを変更している物、機器の動きで不具合があり経過観察している物、出荷品の納品書の発行をする物の結果など。
夜勤作業者が出荷準備した製品と帳票の付け合わせ作業を行います。
製品と帳票をセットにして、配送先別のトラック便に積み込みます。
ハイス鋼の焼入れは、一日当たり平均5ロット処理しますので、約3時間半ごと出材作業があります。
注文書で処理内容を確認し、製品の寸法と員数外観検査を行います。
重量物はクレーンにて、軽量の物は手作業にて窒化専用の治具へセットし、フォークリフトにて窒化を装入してブルへセット処理を開始します。
熱処理部食堂にてテレビを見ながら食事を取る社員、休憩所にて食事を取る社員、各自自由に過ごしています。
遅番作業者の勤務がスタート、引き継ぎ準備と残務処理を進めます。
工具など片付けは済んでいるのか、作業途中の物で明日引き続き行う物などを表示しているかを確認。