加工・熱処理
熱処理

お客様のニーズに応える多様な熱処理を叶えます。
各種鋼材の用途に応じて焼入などを行い、硬度や強度、耐熱性を高めます。特に高速度工具鋼においては真空加熱と高圧ガス冷却を組み合わせた特殊設計の専用設備を独自に開発。高い水準で特性を引き出すことを可能にしています。製品の「強さ」や「タフさ」を高めるために行なわれる熱処理加工―1000℃を超える温度に鋼を加熱し、焼入をしていく職人技です。
特長
01.多種多様な鋼材の熱処理が可能
SCMなどの機械構造用鋼の油焼入れから、ダイス鋼や高速度鋼の真空加圧ガス焼入れまで、小さな部品から1トン級の金型まで、
多種多様な鋼材の熱処理が可能です。 特殊なソルト焼入れも対応中。約20台の焼戻炉は集中制御管理しています。
02.コンピュータ制御による品質安定化
鋼材の種類や形状、寸法、硬度によって標準化された温度や時間(ヒートパターン)を、コンピュータ制御することで生産条件を保証、安定した品質を得ることができます。
提供技術
焼入れ・焼戻し
鋼材を高温に加熱し、急冷する焼入れ。焼入れ後の鋼材を適切な温度に加熱し、適切に冷却することで指定硬さにする焼戻し。この2つのプロセスを組み合わせることで、鋼材の硬度と靭性をバランスよく調整し、用途に応じた最適な機械的特性を得ることができます。
焼鈍(焼なまし)
内部ひずみの除去、組織調整、軟化、切削性の向上などを目的として行います。鋼材を所定の高温まで加熱した後、炉内でゆっくり冷却させます。
焼準(焼ならし)
金属組織の結晶を均一微細化させて、機械的性質の改善や切削性の向上を目的として行います。鋼材を所定の高温まで加熱した後、空気中で冷却します。
固溶化熱処理
加工や溶接で生じた内部応力の除去や、耐食性の向上を目的として行います。鋼材を所定の高温まで加熱した後、急速に冷却することで、合金元素を固溶したままの状態にします。析出硬化処理の前処理として行われることもあります。
析出硬化処理(時効処理)
鋼材の硬さや強度を向上させるために行います。固溶化熱処理が終わった材料を加熱し、一定時間保持することにより、微細な金属間化合物を分散析出させて強度を高めます。時効処理とも呼ばれています。
サブゼロ処理
焼入れ後の鋼材の残留オーステナイトをマルテンサイトに変態させるために行います。これにより、寸法安定性と硬度が向上します。一般的に経年変化の対策として処理します。鋼材を焼入れ後に極低温(-80℃~-130℃程度)に冷却した後、一定時間その温度に保持します。
浸炭焼入れ(協力メーカー対応)
炭素含有量の少ない鋼材の表面に炭素を拡散浸透させてから焼入れし、表面に硬化層を形成させます。
高周波焼入れ(協力メーカー対応)
高周波電流による誘導加熱を利用して鋼材の表面を加熱、その後、急速に冷却することにより表面を硬化させます。