厚膜プリントヒーター
厚膜プリントヒーター エレメント

低い熱容量と高いW密度を兼ね備えた
高効率の薄型プリントヒーター
Otter(オッター)グループ、Ferro Techniek(フェローテクニック)社製TFH(Thick Film Heater)は、SUSのベースプレートに、複数のエナメル層をスクリーン印刷した、厚膜プリントヒーターエレメントです。
一般的なヒーターエレメントに対し、非常に薄型でありながら、低い熱容量による、瞬時に近い加熱と、OFF時の瞬時なヒータ冷却を兼ね備えた応答性を持ち合わせています。
出力の変化への即応性により、高度な制御を実現します。
ヒータ軌道パターンは、平面上であれば様々なレイアウト設計が可能となり、搭載製品の許容スペースへの柔軟さも利点です。
基本仕様
電圧 | 100VAC、110VAC、120VAC、220VAC、240VAC等 ご希望条件に合わせた設計を致します。 |
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定格電流 | ご希望出力に合わせた設計を致します。 |
接続方法 | ご希望方法に合わせた設計を致します。 (ばね荷重接点接続を推奨) 電気ケトル等の用途で、空焚き保護機能を求める場合は、A11やA12、A5とのAssyセットでのご提供も可能です。 電気接続部や樹脂ケースを含めたAssy対応も致します。 |
寸法・形状 | 平面に対し、ご要望の形状に基づいた設計が可能です。 プレート上に穴あけの追加工も可能です。 対応可能サイズの目安は、以下の通りです。 円形 : Φ180㎜まで 長方形 : 220X155mmまで |
認証 | IEC-EN60335規格 Class I 対応機器に適合 |
詳細仕様
ベースプレート | 厚み | 1.0~2.0㎜ |
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材料 | SUS444 もしくは SUS430 | |
絶縁耐圧 | 1250VAC(1分間)もしくは1375VAC(Max2秒) | |
電力密度 | 最大50W/cm^2(スクリーン印刷部平均) | |
最大許容加熱温度 | 250°C(プリントヒーター軌道部は350°Cまで対応) | |
ベースプレート表面処理 | 研磨なし、もしくはヘアライン研磨が可能です。 |
設計の柔軟性
厚膜プリントヒーターエレメント(TFH)は、実質2D形態であれば、どのような外郭形状にも製作可能ですので、複雑な搭載許容スペースへの対応にも適しています。
【厚膜プリントヒーターエレメント外郭形状一例】

ヒーターパターンについては、プリントヒーターエレメント1枚で、以下①~③の例のような、様々な軌道設計が可能です。
①エレメント1枚で複数のヒーター軌道のより合わせ
複数のヒーター軌道を、エレメント表面部を覆うように絡み合わせた設計が可能。この方式で各ヒーター軌道毎での作動、もしくは複数同時のコンビネーションで、異なる出力レベルを発生させられます。
②エレメント1枚で複数の軌道ゾーン
複数の温度制御が必要な場合、制御条件毎に複数のエレメントを用意しなくても、複数の軌道ゾーン設計により、エレメント1枚の表面で、個別の温度制御セクションを用意することが可能です。
③エレメント表面上の電力密度変量設定
エレメント表面上で電力密度を変化させていくことによる、電力の勾配設定の自由設計が可能です。搭載機器の機能としての利用だけでなく、加熱時の技術問題補正にも繋がります。 例えば、エレメント端部に従って電力勾配を上げる軌道設計をすれば、流体物を加熱・調合するときの流量差分の補正ができるようになります。
【ヒーター軌道一例】

オプション
E-FAST (Electronic Full Area Sensor Technology - 電子式全面センサ技術) は、オーバーヒートを検出する、ユニークな方法。Ferro製厚膜プリントヒーター エレメント向け独自開発技術です。
プリントヒーターエレメントが許容温度を超えた場合、その局部的に超えた箇所は、どの部分であっても、そのヒーター軌道部からの漏れ電流により、E-FAST検出部に到達します。
電子的にその漏電箇所をモニタリングすることで、NTCやバイメタルでの方式よりも、遥かに早くオーバーヒートを検出することが可能ですので、優れた安全性にも寄与します。

主な用途
・電気ケトル
・ミルク泡立て器(ミルクフォーマ)
・コーヒーマシン
・ティーメーカ
・加熱式ミキサ、ブレンダ
・スープメーカ
・加湿器
・バッテリークーラントヒーター